2024/07/15 01:51



経営をしていて上手くいっているのに、お金がない!ということがあると思います。

事業をする上で、キャッシュフロー(資金繰り)は最も気になるポイントです。

今回はキャッシュフローについて考えてみましょう。

キャッシュフローってなに?

そもそもキャッシュフローという言葉がわからないという方もいらっしゃるかもしれません。

キャッシュフローとは文字通り「お金の流れ」のことです。

事業をして利益が出れば、収入が支出を上回ることになるためキャッシュフローは良くなるはずです。

しかし、現実には利益が出てもキャッシュフローが悪い、つまりお金がないという状態になることがあります。

それはなぜでしょうか?

キャッシュフローの仕組み

キャッシュフローは売上高や利益と連動しているわけではありません。

何に連動するのかというと

資産と負債に連動します。

つまり貸借対照表です。

※厳密には損益計算書の当期純利益+貸借対照表ですが、複雑になるので割愛します。

ざっくり表現すると、100万円の在庫を利益を乗せずに100万円で売ったら、在庫という資産が現金に変わるので100万円のキャッシュフローが生まれます。

キャッシュフローの種類

キャッシュフローは以下の3つで構成されます。

  • 営業キャッシュフロー
  • 投資キャッシュフロー
  • 財務キャッシュフロー

営業キャッシュフローは事業で「事業活動で発生する」キャッシュフロー

投資キャッシュフローは「固定資産などの変動で発生する」キャッシュフロー

財務キャッシュフローは「借入や返済」によるキャッシュフロー

企業の倒産は赤字が直接の原因となるわけではなく、キャッシュフロー(資金繰り)の悪化が原因になります。

例えば、

  • 仕入れ先に仕入代金を払えない
  • 借入の返済をする現金がない

といったようなものです。

つまり赤字を出そうがキャッシュフロー(資金繰り)が回っていれば、倒産はないということです。

逆に黒字でもキャッシュフローが回っていなければ、黒字倒産に陥ります。

キャッシュフローの計算方法

今回は初級編ですので簡単に説明します。

りんごを100万円ので仕入れました。仕入代金の支払いは1ヵ月後です。

200万円でりんごを売りました。売上代金の入金は2ヵ月後です。

シンプルな例ですが、いかがでしょうか?

あなたは無事に100万円の利益(売上200万円ー仕入100万円)を手にすることができましたが、1ヵ月後には100万円を用意して仕入代金を支払う必要があります。

これが利益が出ているのにキャッシュフローが赤字になる要因です。しかもこのビジネスだと売上が増えれば増えるほど、現金が必要になりますよね。

手元に資金がない場合は銀行から借入をして支払わなければなりません。

ここで気を付けなければならないのが、銀行は急には貸してくれないということです。

先ほどの例で、間もなく1ヵ月後の支払期限が到来するというタイミングで銀行に相談に行っても、事業内容の説明をし、いつ支払いがあり、いつ入金があり、いつ返済できるのか理解してもらって、稟議決裁を経なければ融資は受けられないからです。

仕入れの支払いがどうしても間に合わない場合には、仕入れ先にお願いして待ってもらうしかありませんが、信用が無くなり、取引を継続できなくなるかもしれません。

事業をするには、取引をする前に「いつ支払い」があり、「いつ入金」があるのか把握していなければ黒字倒産は現実に起こります。

今回は簡単な例でしたが、実際には、取引先ごとに「入金・支払」の期間が異なるため、より複雑になります。

しかも人件費や家賃、税金の支払いも発生するため、資金繰りの管理はとても難しくなります。

まとめ

ビジネスをする際には常にキャッシュフローを考えておかなければ、どんなに素晴らしいビジネスを展開していたとしても続けていけなくなります。

特にこれから起業する方は、経営資源や経験・信用が乏しいため、事業を始める前にしっかりシミュレーションをしておかないと、「えっ、なんでこんなにお金が無いの!?」という事態になり、かなり焦ります。

そしてお金がないから、とりあえず売上を増やさなければと考え、薄利で売ってしまったり、慌てて金策に走ったりして、「何がしたくて事業を始めたんだろう?」という残念な結果になってしまいます。

販売方法やビジネスの実現方法と並ぶくらいキャッシュフローは大切ですので、しっかり理解していきましょう!